家は3回建てないと理想の家にならない → 良い家は1回で建てられる
この記事はこんな僕が解説しています▼
- 2006年から注文住宅の会社に勤務
- 土地探しから間取提案、引渡しまで一貫した実務経験
- 営業、設計、現場監督をしている現役建築士
詳しいプロフィールはこちらからご覧ください!
家は3回建てないと理想の家にならない。
家づくりを始めた人なら、こんな言葉を1度は聞いたことがあるんじゃないでしょうか。
家なんて1回建てるのが精一杯だよ
100人中99人がこう思っていると思います。生涯に2回も3回も家を建てる人なんて超レア人間。
家づくりを失敗したいと思う人はもちろん1人もいるわけがなく、みんな家づくりが失敗しないようにとアレコレ勉強したりしているものです。
それでも多くの人たちは、
こんなはずじゃなかった
と、家づくりを後悔しています。
家を買う前に実際家を見られる建売住宅と違い、無から有を生むのが注文住宅の家づくりです。自由なのが注文住宅の良いところですが、自由すぎて後悔する人が後を絶ちません。
こうして家はやっぱり3回建てないと理想の家にならないのね、と思われがちです。
でも理想の家は1回で建てられます。
本記事では注文住宅の設計・現場監督として16年家づくりに携わる僕が、1回の家づくりで理想の家を建てる方法をご紹介します。
一生に一度の家づくりを後悔したくないと思ってるあなた。ぜひ最後までご覧ください。
情報収集の第一歩としてオススメなのが住宅会社の資料請求。
とはいえ星の数ほどある住宅会社から一社ずつ資料請求するのは大変なので、LIFULL HOME’Sの一括請求が便利。
これから家づくりを始める方は、この担当者は気軽に相談できそうだ、という人を選ぶと家づくりが楽しくなると思います。ビルダー選びの際は参考にしてみてください。
これからビルダー選びをする方は、「LIFULLHOME’S」の公式サイトをご覧になってみてください▼
情報収集の第一歩としてオススメなのが住宅会社の資料請求。
とはいえ星の数ほどある住宅会社から一社ずつ資料請求するのは大変なので、LIFULL HOME’Sの一括請求が便利。
家づくりに失敗すると残り人生の2/3を失敗
いやいや、さすがにそれは大袈裟すぎるでしょうよ。
家づくりに失敗したからと言って人生まで失敗だなんて。
と思いますよね。
家づくりの失敗は、在宅時間がモヤモヤした気持ちで過ごすことになります。
- 水廻りの動線が悪くて不便
- トイレが暗くて狭くて窮屈
- 収納を広く取りすぎてリビングが狭い
- あぁしていたら・こうしていたら。。。
とくに使い勝手に影響するところの後悔は住んでからもずっと思うことになります。
傷口が治る前にまた擦りむいちゃう感じで、家づくりに失敗すると一生治らない傷を負ったようなものです。
働く時間が1日1/3と考えると、およそ2/3の時間を家で過ごすことになります。休日は在宅時間が長くなるでしょうから実際の在宅時間はもっと長くなりそうですね。
睡眠時間を無視するなという声が聞こえてきそうですが、たとえば断熱・気密性能の悪い家だったら、夏暑くて冬寒い典型的な不快な家になってしまい、睡眠の質にも影響しますよね。
だから睡眠時間も含めた在宅時間がより良いものでありたいものです。
理想の家は100点満点の必要はない
待ちに待ったマイホーム。
ウキウキルンルン楽しみに引越しをしたは良いけど、いざ住み始めると気が付くことって多いもの。
- 動線など住んで気づいた使いにくい間取り
- 必要なところに無かったスイッチ&コンセント
- 冬は寒くて夏は暑く、暖房費・光熱費が高くてビックリ
あれもこれも不満の嵐。
「家は3回建てないと理想の家にならないってこのことか」と思う瞬間だと思います。
多くの人は理想の家と聞くと100点満点を想像すると思います。非の打ち所がないパーフェクトな家、それこそ理想の家だと思うもの。
僕の経験上、必ずしも100点満点である必要はないと思っています。と言うか100点満点の家づくりはたぶん無理。
僕たち設計士だって当然100点満点を狙ってプレゼンしていますが、仮にまったく同じ間取りを提案した場合ても、大喜びの建主さんもいれば、全然イメージと違うと否定されることだってあります。
人によって感じ方は変わりますからね。
それじゃ理想の家ができないかと聞かれると、そんなことはありません。
満足度が「中の中」なら理想の家
家づくりが始まってからなんだかんだあったとしても、完成した家の引き渡しを受けると「自分の家」という嬉しさ補正みたいなものが働き、良い方向に脳内変換されて「これが私たちの望んだ理想の家!」と思うものです。
その上で家づくりを失敗したと思う人は「満足度が中の下」以下の家づくりになった人です。
僕の体感、満足度が中の下以下になるのは次のような人が多い印象です。
- 設計士に任せっきりにする人
- 予算重視で性能面を疎かにした人
これらの人は家づくり失敗タイプ。
この2つのポイントを抑えることができれば「中の中」以上の家づくりができ、家づくりの失敗・後悔を防ぐことができます。
失敗する人①|設計士に任せっきりタイプ
プロに任せれば素晴らしい家にしてくれるハズ!
意外とそう思ってる人は少なくありません。でも残念ながらそれでは後悔する家になりかねません。
同じ間取りで生活しても「使いやすい」と感じる人もいれば「使いにくい」と感じる人もいます。
間取りが使いやすいと感じるかどうかは、日々の生活ルーティンによっても変わってきますね。
とは言え僕たち設計のプロは間取りを考えるときはすんごい考えます。あなたの暮らしを想像しながら「ここはこうした方が、あっちはあぁした方が」ってめっちゃ考えます。
だからきっと僕たちが提案する間取りで「失敗した」となることは少ないはずです。
とはいえ暮らし方は千差万別で、たとえば「今の暮らしでこれが慣れてるからこうしたい」とか、そんな要望もあったりします。
「今の暮らしがこうだからこうしたい」と言われても、ぶっちゃけそこに暮らしてない僕たちには分かり得ないところなので、住む人の微調整は必要です。
行列のできる超人気ラーメン店だからと言って、必ずしもあなたにマッチする味とは限りません。
ラーメンに塩胡椒とか一味を入れて味変することだってありますよね。それと一緒です。
間取りの最後は建主さん自身の味付けにする必要があるのです。
設計→提案→調整→再設計→再提案→再調整・・・こんな感じで何度も打ち合わせを重ねることで家づくりの完成度は高まります。
失敗する人②|性能面を疎かにすると後悔する
住宅性能は目に見えないからこそ疎かにしがちです。
また断熱性能や気密性能は住んでみてからじゃないと体感しにくい部分でもあります。
マイホーム計画中はついつい見えるところばかりに目がいって、見えるところばかりにコストを掛けがち。
だけど性能をおろそかにすると、家にいるのに隙間風で寒い思いをしたり、家の中で温度差ができて不快な温熱環境で暮らすことになるかもしれません。
室内の温度差によるヒートショックの死亡率は、交通事故の死亡率よりも高いのです。
ローコスト住宅と名のつく家の性能面は疑ってみるべきですね。
家づくりで後悔しない2つの方法
家は3回建てないと理想の家にならないというのは、家づくりに失敗した人が言うことです。
家づくりで後悔しないための方法は先ほどの失敗するタイプの反対のことをすれば良いのです。
具体的には
- プロの間取りを自分なりに考える
- 性能をケチらない
プロの間取りを自分なりに考える!
後悔しない家づくりに必要なことは間取りは自分で考えること。
- 素人が考える間取りで大丈夫?
- 設計士は何のためにいるの?
そう思ってしまいそうですが、ゼロから間取りを考えるわけではありません。
僕たち設計士が要望に沿った間取りを提案し、その間取りについて建主さん自身で考えることが大事なんです。
間取図からどれだけ暮らしを具現化(イメージ)できるかが家づくりの最も大事なポイントだと思っています。
たとえば洗濯動線
- 洗濯機から洗濯物干しスペースまでの動線
- 洗濯物を干してから収納するまでの動線
毎日のルーティンと実際の暮らしを想像することが大事です
料理をする人が左利きの場合、冷蔵庫の配置は向かって左手側であったり、加熱機器も左側にある方が使い勝手が良いと言う人は多いですね。
そうは言っても、住宅屋さんからもらう間取図ってイメージしにくい。
と言う人は、その間取図の中にミニチュアな自分が入り込むイメージで考えてみてください。
シルバニアファミリーのお城の中に入ったイメージ。
それができないんだよ。
そんな人でも、間取図を眺めているうちにだんだんイメージが湧いてくるはずです。慣れていないので最初はイメージしにくいものなんです。
細かなイメージができると、
- 適切な位置にある収納スペース・適切な収納量
- 住み心地の良い間取り・使い勝手の良い動線
- 使い勝手の良いスイッチ・コンセント
設計士が提案する間取りに、建主さん自身のスパイスを加えることで理想的な家になります。
多くの人は使い勝手が良く思っていることでも、住む人には「こっちの方が良かった」と思うこともあります。
多数派の意見があなたに当てはまるわけではありませんからね!
性能は一生モノ、コストをケチらない!
内装のグレードアップ・水廻りのグレードアップ
性能よりも見た目にこだわりたい![
内装にお金を掛けたところで時間が経てば劣化するし、水廻りのグレードを上げたところで設備機器は摩耗や劣化でいずれ壊れて交換することになります。
新築ってなると、全部いいものを付けたろう、みたいな考えになりがちですよね。
ところが僕の実務経験上、10年・15年経って故障したときに見た目よりもコスト重視で選び直す人の方が多い印象です。
性能は何十年経っても変わりません!
性能を疎かにした家で完成して初めて迎えた冬「寒い、こんなはずじゃなかった」と言っても手遅れです。
どんなに内装をグレードUPしても、どんなに水廻りをグレードUPしても、どんなに間取りが良くても、性能を疎かにすると家というより雨風凌げるただの箱です。
性能とか目に見えないとこよりも、見えるところにお金をかけたい。
そんな人は次の記事を読んでみて下さい。
高気密高断熱を詳しく解説しています▼
良い断熱材を使ってるから、という安い営業トークに騙されないように注意が必要です。断熱材の施工のポイントも解説しています▼
家づくりで後悔しないポイント|まとめ
家は3回建てないと理想の家にならない。はデタラメです。
一回しか建ててないから仕方がないよね〜。と家づくりを失敗した人が自分を慰めるために言う言葉です。
これから家づくりをするあなたが注意しないといけないのは次の3つです。
- 設計士に任せっぱなしで自分で考えない
- 性能よりもコスト削減を優先する
- 性能よりも見えるところにお金をかける
僕たち設計士は100点の間取りで提案しているつもりではいますが、どうしても細部については住む人の微調整が必要になります。
僕たち設計士に任せてくれる気持ちはとってもありがたいですが、多くの人は使い勝手が良く思っていることでも、住む人には「こっちの方が良かった」と思うこともあります。
多数派に好まれるものはあくまでも多数派が好むもの。必ずしもあなたに当てはまるわけではありませんからね!
以上、参考になれば幸いです。
情報収集の第一歩としてオススメなのが住宅会社の資料請求。
とはいえ星の数ほどある住宅会社から一社ずつ資料請求するのは大変なので、LIFULL HOME’Sの一括請求が便利。
これから家づくりを始める方は、この担当者は気軽に相談できそうだ、という人を選ぶと家づくりが楽しくなると思います。ビルダー選びの際は参考にしてみてください。
これからビルダー選びをする方は、「LIFULLHOME’S」の公式サイトをご覧になってみてください▼