【注文住宅3つの費用】建物工事価格「坪単価×坪数」だけで家は建たない
家づくりの予算を決める指標になるのが坪単価。
坪単価50万円であれば30坪の家で1500万円あれば家が建つ、と思いきや実際のところそれだけでは注文住宅で家は建てられません。
家1棟の価格は、次の3つの費用の合算した費用になります。
- 本体工事費用
- 別途工事費用
- 諸費用
僕たち住宅会社側が言う坪単価というのは本体工事費用のみを指します。
本体工事費用は工事費全体の7割ほどで、家を建てるには別途工事・諸費用も必要になります。
今回は、家づくりの費用について詳しく解説したいと思います。
- 家づくりに必要な3つの費用
- なぜビルダーは坪単価を安く言うのか
- 諸費用はざっくり100万円
2006年から注文住宅の会社に勤め現場管理歴12年を経て、今は設計と営業をしています。
家づくりに必要な3つの費用
冒頭でもお伝えしたように、家づくりの費用は大きく分けて以下3つです。
- 本体工事費用
- 別途工事費用
- 諸費用
順番に解説していきます。
家づくりの費用①|本体工事費用
ざっくり言うと坪単価はいわゆる上物(建物)の費用です。
- 家を支えるための基礎
- 家の構造である柱・梁などの骨組み
- それらを作る大工などの作業人件費
- 床・壁天井などの内装仕上や外壁などの仕上
- トイレ・お風呂などの水廻機器などなど
僕たちが言うところの坪単価はこれら上記の費用です。
では次に別途工事費用についてお話しします。
家づくりの費用②|別途工事費用(目安:本体工事費用×20%)
本体工事価格に含まれていないのは別途工事費用と呼ばれ、以下の項目が該当します。
- カーテン
- ガス工事
- 給排水設備
- 照明器具代
- 地盤改良工事
- 外構工事
敷地内に給水管が引き込まれていない土地もあれば、給水管が引き込まれていても老朽管であれば新たに水道管を引込む必要があります。
周りに家が少ない田舎の方だとカーテンが不要ということもありますね。
坪単価を安く言う理由
ビルダーがいう坪単価に別途工事費用は含まれていない理由は、土地によって変動するからです。
地盤が強い(家や人の重さに耐えられる)土地であれば地盤改良は不要ですが、地盤が弱いと地盤改良が必要になります。
- 住宅街に建てるor郊外に建てる
- 地盤の強い土地or弱い土地
土地によって変動するので、坪単価に含めることができないというわけです。
一般的に別途工事の費用は本体工事価格の20%程度が目安と言われていますが、土地によって大きく変動するものですので、ざっくりした目安としてお考えください。
地盤改良は不要だけど、給水管の新規引込みが必要な土地
新規引込み管は不要だけど、地盤改良が必要な土地
土地によって大きく異なりますので、備える費用も大きく変わります。
家づくりの費用③|諸費用
車を新たに購入する場合、車庫証明などの申請料が必要になってきますよね。他にも金融機関でマイカーローンを利用する場合も銀行での手続き費用がかかってきます。
マイホームを建てる場合も同様で、さまざまな手続き費用が必要になります。
ざっくりまとめると、
- 仲介手数料
- 金融機関の事務手数料
- 保証料
- 火災保険料
- 確認申請料・完了申請手数料
- 印紙代
- 地鎮祭・上棟式(行う場合)
- 登記費用
- 引越し費用
- 仮住まい費用(建替え時)
諸費用の目安は建築工事価格の5%と言われていますが僕の経験上、諸費用はおおよそ100万円が目安になっています。
諸費用についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
借入金額や金融機関によって保証料・事務手数料などが大きく異なるので、諸費用も坪単価に含めることはありません。
設計料|設計事務所は建築工事費の10%
設計事務所・自由設計の工務店では設計料が発生し、費用としては一般的に建築工事費用の10%と言われていますが、設計事務所・工務店でも設計料は大きく異なります。
- 設計施工一貫の工務店
- 設計のみの設計事務所 ※厳密には監理業務込み
設計を主の生業としている設計事務所よりも、設計も施工も一貫して行う工務店の方が設計料は安価な傾向があります。
僕の感覚としては、工務店の設計料は3%〜7%、設計事務所の設計料は10%程度が相場と思います。
まとめ|注文住宅3つの費用
今回のまとめです。
注文住宅の場合、建物価格は次の3つが合算した費用になります。
- 建物工事費用
- 別途工事費用
- 諸費用
ビルダーがいう坪単価は①建物工事費用のみをいいます。
別途工事費用や諸費用は含まないのが一般的で、その理由は土地や金融機関によって変動する費用だからです。
営業マンの坪単価に騙されないようお気をつけください。
これからも後悔しない家づくりについて発信していきますので、見逃さないようにぜひブックマークしていただけると嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。