住宅ローンの流れを分かりやすく【7つのSTEP】で解説!【家づくりに関するお金の知識】
住宅ローン、どんな手続きをすれば良いのかまったく分からない。
多くの方から住宅ローンのお悩み相談を受けます。
住宅ローンはお近くの金融機関に行けば無料で相談にのってくれるとはいえ、金利とか利息とか難しそうでチンプンカンプン。
本記事では住宅ローンを体系的に学べるようにまとめてみました。
- 利息って?金利って?
- 月々の返済額って?
- どんな手続きが必要なの?
住宅ローンの疑問についてまとめた記事になっています。この記事を読めば住宅ローンの「あんなこと」や「こんなこと」が丸わかり!
家を検討している人はもちろん、すでに家づくりを始めている人もぜひ参考にしてください。
- 2006年から注文住宅の会社に勤務
- 営業、設計、現場監督で現役サラリーマン建築士
- 主な実務内容は、土地探し・プランニング・施工管理
詳しいプロフィールはこちらからご覧ください!
住宅ローンの7STEP
住宅ローンは借入金額が同じでも、条件によって総返済額が大きく変わってきます。
銀行から3000万円を借りて毎月返済し続けた結果、完済時の総返済額が3500万円になる場合もあれば、3900万円になる場合もあります。
総返済額が変動するのはいくつか要因があって・・・
- 金利差
- 返済方法
- 頭金の有無
などなど、いろんな要素が絡んで総返済額が変わってきます。
もっとも大きく影響するのは金利です。
住宅ローンをお得に利用するためにも、次のSTEPに沿って住宅ローンを学んでいきましょう!
- いくらまで借りられる?融資限度額を知ろう!
- 貯蓄があるなら頭金は入れるべき!
- 金利と利息を考える
- 変動金利・固定金利を考える
- 2つの返済方法
- 申し込みや手続きの流れを知ろう!
- 審査に落ちた時の対処法!
では詳しく解説します。
- 2006年から注文住宅の会社に勤務
- 営業、設計、現場監督で現役サラリーマン建築士
- 土地探し、間取の作成、施工管理が主な実務
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【STEP0】借入額・月々返済額の平均を知る
別に聞いたところで自分には関係ないとはいえ、やっぱり気になるのが世間の住宅ローン借入額の平均値。
何となく気になってしまうものですよね。
周りと比べて借入額が多い方なのか少ない方なのか。周りと比べて月々の支払額は多いのか少ないのか・・・。
土地代やどんな家を建てるかで金額はピンキリだから、全然何の参考にもならないんですけどね。
分かってはいるけど気になるもの。ってことでその平均額がズバリこちら▼
地域によって価格差がありますがこれが全国平均です。
▼地域別に知りたい方はコチラの記事をご覧ください▼
【STEP1】いくらまで借りられる?融資限度額を知ろう!
STEP0の平均借入額を見て驚いた人は多いかもしれません。「3000万円代だと思った〜」って言う人も多いでしょう。
土地+建物で約4400万円・・・結構な大金ですよね。
そこで気になるのが、
こう不安に感じた人も多いと思いますが、ご安心ください。
住宅ローンは建物価格を上限に融資限度額が設定されています。
つまり、
3000万円の家を建てるなら融資限度額も3000万円
4000万円の家を建てるなら融資限度額も4000万円
ということなのでご安心ください、あなたが望む家の費用はなんとか捻出できそうです。
・・・と言いたいところですが、あくまで融資限度額であって実際に借りられるのかは別問題。
実際のところ融資限度額いっぱいまで借りれるかどうかは金融機関(保証会社)の判断になります。
限度額いっぱいまで貸してやろう!ってなれば満額借りられるし、
そんなに貸せないよ!ってなれば、不足分は自己資金から捻出しなければいけません。
限度額まで借りられるのかは借り手の年収によっておおよそ決まるっぽくて、だいたい年収の8倍くらいまでです。(人によるので一概に言えないんです。)
▼詳しくはこちらの記事をご覧ください▼
参考として、年収に対する融資限度額の目安をご紹介します。それが次の2つです。
- 借入れ金額は税込年収の7〜8倍まで
- 返済負担率は35%以内
とはいえおおよその融資限度額は年収の8倍くらいまで、と言う感覚でOKです。
住宅ローンを借りるときは事前審査→本審査という流れで審査が入ります。その審査に通ると晴れて希望額の住宅ローンを借りることができます。
審査の流れはSTEP6で解説します。
【STEP2】貯蓄があるなら頭金は入れるべき
マイホームの頭金ゼロで購入資金をすべて金融機関で借りるのがフルローン。
こう考える人は多いものです。できればお金は手元に残しておきたいものですからね。
しかし、できることなら頭金を入れて借入金額を少なくすべきです!
理由は借入金額が少ないほど利息が少なくなるので総返済額を少なくできるからです。
頭金を入れると他にもメリットがあります。
- 利息が減るから総返済額が少なくなる!
- 金融機関の優遇金利を適用できる!
- 月々の返済額を少なくできる!
借入れ額が100万円増えるごとに、利息の支払いで数十万円ずつ総返済額が増えていきます。
また金融機関によっては借入れ金額の1割分の頭金を入れると、金利を引き下げてくれるお得な特典があったりもします。
- 頭金を入れる→借入額を減らす→利息が減る
- 頭金を入れる→金利が下がる→利息が減る
具体的にどれくらい頭金を入れたら良いのかは、こちらの記事で詳しく解説しています。
https://ii-ie-tukuru.com/atamakin/
【STEP3】金利と利息を考える
そもそも金利って・・・なに?
イマイチよく分からないのが金利と利息。
タダでお金を貸してくれるのは両親くらいで、誰かにお金を借りると借りた額+αでお返しをしなければいけません。
その「+α」分が利息で、この利息は金利によって変わります。
金利1%は1年後の利息を示します。
銀行から100万円を金利1%で借りた場合の利息は1万円です。つまり1年後に返済するときの返済額は101万円になっているというのが、金利と利息の関係です。
【STEP4】変動金利・固定金利を選ぶ
金利は半年に一度、変動する仕組みになっています。
住宅ローンの金利を「固定金利」・「変動金利」のどちらにするか選ばなくてはいけません。
どちらを選ぶかによって総返済額は大きく変わってきます。
住宅ローンでもっとも複雑で分かりにくいのがわかりにくいのが金利
どんな違いがあるの?
住宅ローンの返済時は金利分を上乗せして返済しますが、その金利は半年に一度見直される仕組みになっているので、半年ごとに金利が変動する可能性があります。
金利が上がるのか、下がるのか、それとも変わらないのか。
住宅ローンの返済期間を35年とすると今適用される金利は今後69回、変動するリスクがあると言うことです。
『変動金利』と『固定金利』この2つの違いは、半年に一度の金利変動のリスクを『借り手』・『金融機関』のどちらが負担するかの違いです。
『変動金利』と『固定金利』のどちらを選ぶかで総返済額が大きく変わりますので、どちらを選ぶかがとっても重要な選択となります。
- 変動金利・・・借り手側が金利変動のリスクを取る
- 固定金利・・・金融機関が金利変動のリスクを取る
変動金利の特徴はこちらです。
- 固定金利よりも適用される金利が低い!
- 半年に一度金利が変動する可能性がある!
- 金利が変動するため最後まで総返済額は分からない!
- 金利が上がれば総返済額は増える!
- 金利が下がれば総返済額は減る!
完済するまで金利が上昇しなければ変動金利の方が総返済額は少なく済みます。
固定金利の特徴はこちらです。
- 変動金利よりも適用される金利が高い!
- 住宅ローンを契約した時点で総返済額が確定する!
- 金利が変動しても影響を受けない!
- 月々の返済額が決まるので家計管理がしやすい!
- 金利が横ばいなら固定金利の方が総返済額は多くなる!
これ以上金利が下がることは無いんじゃない?と言われているくらい『超低金利』の今は、変動金利が絶対おトクです!
でも、いつまで金利が低い状態が続くのかは誰にも分かりません。
固定金利は金利が高いけど金利の影響を受けない・・・。
変動金利はギャンブル要素が強いのね。
こんな人は変動金利が良い、固定金利が良い、ということを詳しく解説している記事がありますので、悩んでいる方はこちらを参考にしてください。
【STEP5】元金返済・元金均等を選ぶ
住宅ローンの返済方法は下記の2通りです。
- 元金均等返済
- 元利均等返済
「元金」を均等に返済する元金均等返済
元金均等返済の特徴は、借入期間から元金を均等に割って、残っている元金に対して利息がかかる返済方法です。
返済当初は元金がたくさん残っているので、その分利息の負担が大きくなります。
「元金と利息」を均等に返済する元利均等返済
元利均等返済の特徴は、毎月の返済額が同じになるように、元金と利息の割合を調整している返済方法です。
完済までの返済額は一定になるものの、利息と元金の割合を調整しているため、支払い当初は元金よりも利息の割合が多く占めます。
元金均等返済と元利均等返済では、総返済額にも差が出ます。(元金均等返済の方が返済額は少ない)
返済方法についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
【STEP6】申し込みや手続きの流れを知ろう!
住宅ローンの流れをご紹介します。
- 事前審査
- 事前審査の承認
- 融資の申し込み(本審査)
- 融資契約
- 融資実行
住宅ローンは2回の審査を通過して初めて融資を受けることができます。
また、住宅ローンの手続きで金融機関の窓口に行くのは全3回です。日曜・祝日でも空いてる窓口もありますが、平日のみしか空いていなければ休みを取る必要があります。
事前審査・本審査・ローン契約時に必要な書類など、もっと詳しく書いていますのでこちらの記事も合わせてご覧ください。
【STEP7】審査に落ちた時の原因と対処法!
事前審査が承認されなければ本審査まで進めることはできないし、本審査が承認されなければ融資を受けることはできません。
つまり2回の審査が承認されなければ住宅ローンを組むことはできません。年収・借入額・返済方法が同じなのに審査に通る人もいれば落ちる人もいます。
信用情報に傷がついていると審査が厳しくなります。信用情報に傷がつく場合の多くは「延滞・債務整理」が原因です。
特に延滞には気をつけたいところです。
- クレジットカードの支払いを延滞
- スマホ代金の分割払いを延滞
ローン延滞を繰り返すと信用情報に傷がつきます。「銀行口座の残高が足りなかった」せいで金融事故(ブラックリスト)扱いになってしまいますのでお気をつけ下さい。
ここで、審査に影響を与えるポイントをご紹介します。
- 完済時年齢(99.1%)
- 健康状態(98.2%)
- 担保評価(98.2%)
- 借入時年齢(97.8%)
- 年収(95.7%)
他にもたくさんポイントがあり、これらを総合して審査を行います。
借りるときの年齢や完済する時の年齢、担保に入れる『家や土地』も審査に影響を与えます。
金融機関によって(正確には保証会社)審査ポイントは違います。総合点で判断されるので、高齢でも年収が高ければ審査に通ることもあるし、若くても年収が低ければ審査に落ちることもあります。
もし住宅ローンの審査に落ちても諦めるのはまだ早いです!
できることは2つあります。
- 他の金融機関で審査する
- 借入金額を見直す
審査内容は公表はされていませんので全く同じ条件でも、こっちの金融機関の審査は通らなくても、あっちの金融機関の審査は通った。ということがあります。
適用金利や諸費用などの比較をするためにも、複数の金融機関で審査をすることをオススメします。(事前審査は無料で行ってくれます!)
また、返済負担率や年収が低いことで審査に落ちた可能性がある人は、借入金額を見直すことも視野に入れておきましょう。他にも頭金を入れるなどして借入金額を減らすことは有効手段です。
住宅ローンの必要書類など、そのあたりについても詳しく書いた記事がありますので、ぜひこちらもご参照ください。
みんなが選ぶ金利は「変動金利」が8割!
変動金利・固定金利
金利を選ぶときにどっちにしようか悩んでしまいますよね。
金利を決めるときに考えておきたいのが、金利差による総返済額の差です。
固定金利は契約時の金利が適用され、それ以降の金利の動向には一切影響されません。
家賃感覚で住宅ローンを返済できるのが固定金利のメリットです。
一方、変動金利は金利は低いものの、それ以降金利が上がれば総返済額は増えるので、金利変動のリスクが常に付き纏います。
金利を選ぶ時には固定・変動金利でシミュレーションをして、総返済額の差を知ることが大事です。
金利を選択する時の参考に、こちらの記事をご覧ください。
ネット銀行の住宅ローンは金利が安い!
最近だと、店舗を構えないオンライン上で手続きできるサービスが続々登場してきました。
火災保険や自動車保険、そして住宅ローンも利用することが可能です。
■ネット銀行のメリット
- 金利が安い
- 手続きは自宅で完結できる
- 保証料や繰上げ返済手数料が無料
■ネット銀行のデメリット
- 事務手数料が高め
- 審査や融資実行まで時間がかかる
- つなぎ融資がない場合もある
- 手続きは全部自分で行う
店舗を構えることがない(or少ない)ので店舗経費や、窓口で対応する人件費を削減することができ、実店舗を置く金融機関と比べ安く利用できます。
手続きは全部自分で行う必要があるので、面倒が苦手な人は苦痛ですね。
ネット銀行についてもっと詳しく知りたければ、こちらの記事をご覧ください。
着工金・中間金は「つなぎ融資」
住宅ローンは家が完成してから初めて融資を受けることができます。
とはいえ、家が完成する前に発生する費用はあります。
- 土地
- 着工金
- 中間金
- 確認申請費用
- 火災保険料
などなど。
これらの費用を自己資金で賄えない人は、つなぎ融資を利用することになります。
つなぎ融資を利用するには金融機関の申し込み時に、同時申請することになりますので銀行窓口でつなぎ融資の利用をお伝えください。
つなぎ融資は利息を支払うことになります。金利や家が完成するまでの期間で支払う利息は変わってきます。
具体的な計算方法や、諸費用について詳しく解説していますので、こちらの記事をご参照ください。
住宅ローンの返済がつらくなった時
住宅ローンの返済期間中、不本意ながら毎月の返済が厳しくなり住宅ローンの返済が滞ってしまうケースがあります。
そのキッカケは急な支出が発生したり収入が減少が発端かもしれません。
住宅ローンの返済が滞ると「延滞」となり、マイホームを守るためにも延滞は絶対に避けたいところです。
延滞するとやばい理由が2つあります。
- 金融機関の優遇金利が適用されなくなる
- 住宅ローンの借り換えができなくなる
優遇金利が適用されなくなると金利が上がり、毎月の返済額もUPしてしまうので更に返済が苦しくなります。
延滞する前にこちらの記事をご覧ください。
住宅ローンの返済に困った時の対処法
- 金融機関へ相談
- 住宅ローンの借り換え
家づくりのときは住宅屋さん選び・土地探しに力を入れて、住宅ローンは普段使いの金融機関の窓口に行って住宅ローンを契約した人は少なくありません。
住宅ローンの借り換えは無料で簡単シミュレーションできるモゲチェックが便利です。
総返済額100万円以上、月々の返済額を5,000円以上安くなる可能性があります。
無料で簡単シミュレーションできる「モゲチェック」について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。