住宅ローンの借入金額はいくらが適正?年収・返済負担率で予算を考える
住宅ローンの借入金額が、まったく検討つかない。
住宅ローンが返済できずにマイホームを手放すことになる、いわゆる住宅ローン破綻をする人が増えているそうです。
せっかく手に入れたマイホームなのに、手放すことはぜったいに避けたいところ。
住宅ローンは頭金なしで借りることができますが、借入額が多すぎると返済に苦労することになります。
住宅ローンの返済ができなくなり、マイホームを追い出されてしまうケースもあります。
これだけは避けたいところですよね。
住宅ローンの借入金額の中には、土地の費用・家の費用はもちろん諸費用も含まれています。
お金はあるけど取り崩したくない・子どもの教育費のために手元にお金を残しておきたい、そんな人でも預貯金を減らすことなく家づくりできるのが住宅ローンのメリットとも言えますね。
本記事では、「年収」と「返済負担率」による住宅ローンの借入額について詳しくお話ししたいと思います。
融資を受けるには金融機関の審査があります。銀行窓口で手続きする場合、審査期間は7日〜10日ほどかかります。
審査の結果「融資不可」となれば、借入金額を下げてもう一度審査しなければいけませんが、時間がかかりすぎるのが難点ですね。
ネットで手軽にシミュレーションすできるので、ぜひ気軽に活用してみてください。
住宅ローンの借入額|目安は「年収」と「返済負担率」
「・・・ちなみに、家づくりの予算ってどれくらいで考えてますか?」
と聞いても、ぼんやりしている人が大半です。
金額を言ってくれる人もいますが、そこには根拠がないことも多いです。
そこで目安にするものこそが「年収」と「返済負担率」です。
僕たち住宅会社の営業マンは、年収を聞けばこのお客さんは住宅ローンはマックス〇〇円借りられるから、自己資金が〇〇円あれば、ウチで家を建てられそうだ。
逆に年収がこれくらいだから自己資金で〇〇円払えないと、ウチで建てるのは無理かも。
こう判断するポイントになっています。
具体的には次の2つのポイントで借入金額が大まか分かります。
- 借入金額は税込年収の7〜8倍程度
- 年間総返済額は税込年収の35%以内
返せる見込みのない人にお金を貸したくないものです。友達ならまだしも、知らない人なら絶対にかしたくないですよね。
住宅ローンも同様で、金融機関サイドからすると返せる見込みがない人にはお金を貸したくないと思うもの。
詳しく解説します。
借入金額は税込年収の7〜8倍程度
借入額は税込年収の7〜8倍程度と言われています。
税込年収が500万円だったら借入金額の上限は3500万円〜4000万円って感じですね。
どこまでいっても人によるとはいえ、3〜4人家族であれば主に30坪〜35坪あれば広さとしては足りてきます。
仮に年収500万円と聞けば僕たち営業マンの頭の中は次の思考を巡らせます。
ウチの坪単価が約70万円。坪数で掛けたら2100万円〜2450万円。諸費用がだいたい100万円くらい。
合算するとこれくらい。
そうなれば土地にかけられるのは・・・
こんな感じで逆算で考えていきます。
年間総返済額は税込年収の35%以内
金融機関の審査基準の目安に返済負担率、というのもあります。
手取り収入に対して年間の返済額の比率はどれくらいかという計算式で成り立ちます。
返済負担率
=年間返済額/手取り収入×100%
税込年収が500万円の年間総返済額は175万円が上限となります。毎月の支払額で言うと約14,5万円。
この返済額で生活可能かどうかをお客さんにイメージしてもらい、それによって予算の上限がつかめてきます。
具体的な例として次の条件を考えてみます。
税込年収 | 500万円 |
金利 | 全期間固定金利 金利1,6% |
借入期間 | 35年 |
返済方法 | 元利均等返済 |
返済負担率 | 35% |
この条件の融資限度額は4687万円です。
- 月々の返済額は145,815円(年間約175万)
- 総返済額は約6124万円
税込年収500万円の手取り収入はおよそ390万円です。そこから年間175万円が住宅ローンの返済になるので、残り215万円くらいが生活費ということになります。
はたして月18万円弱の生活費で暮らせるのかどうか。
こういったシミュレーションをあなた自身に置き換えて考える必要があるんです。
要注意!借入可能と返済可能は違う
ここまでの話を聞いて、
年収の7倍程度・返済負担率が35%以下なら住宅ローンは借りられる可能性があるんだね!
と安心する人もいると思いますが、住宅ローンの借入可能額と返済可能額は違うのでご注意ください。
住宅ローンの審査に通れば、金融機関からのお墨付きをもらった気になってしまいますが大間違いです。
家を建てると当然メンテナンスは自分で行うことになります。それに加えて毎年の固定資産税の負担も大きいもの。
マイホームに住んでから思った以上に出費が嵩んだり、いろんな理由で出費が増えることもあり得ます。
金融機関としては細かな家庭の事情は考慮してくれないし、各家庭によって事情が違うのでそこまで面倒見てくれません。
万が一住宅ローンの返済が滞ると、住宅ローンの債権が銀行から保証会社に移り、保証会社が住宅ローンの残債を一括弁済してくれます。
幸せな生活を送るためのマイホーム。住宅ローンの負担が重くのしかかり生活が苦しくなってしまっては本末転倒です。
返済負担率は25%以下
無理のない返済には、返済負担率は25%以下に抑えることがポイントだそうです。
年収500万円・返済負担率25%|借入可能額は3342万円
年収500万円で返済負担率25%の場合、年間総返済額は125万円。
毎月の返済額は10.4万円で、借入可能額は3342万円になります。
住宅ローンは金融機関によって設定されている金利が異なり、金利差たった0,1%の違いで総返済額は数十万円単位で変わってきます。
とはいえ複数の金融機関で金利を比較するのは大変な労力です。
ネットの一括審査を利用すれば一度に複数社の住宅ローンの比較ができますので、ぜひ活用してみてください。