新築注文住宅|後悔しないコストダウンのポイント【値引きのリスク】
できるだけ費用を抑えて家を建てたいなぁ。
みなさんがこんなお悩みをお持ちだと思います。
仮に予算を100万円抑えることができれば、
- システムキッチンからオーダーキッチンに
- 既製品の洗面化粧台をタイル貼りの製作洗面台に
- 化粧フロアから無垢フローリングに
他にもいろんなグレードUPができますね。もちろん住宅ローンの借入金額を少なくして月々の返済額を抑えることだってできますね。
とはいえ、そんなに簡単に費用を抑えられるの?
と思いますよね。
注文住宅での家づくりは随所にコストダウンできる方法があります。
100万円単位でコストダウンするには工夫が必要だったりしますが、30万円・50万円のコストダウンは意外と難しくはありません。
ただし闇雲なコストカットは大失敗に繋がりますので、目先の費用だけに囚われてしまうと後悔することにもなりかねません。
そこで工務店勤めのサラリーマン建築士の僕が、17年間の実務経験を基に後悔しないコストダウンのポイントをご紹介したいと思います。
ぜひ最後までお付き合いください。
「後悔する」コストダウンと「後悔しない」コストダウン
コストダウンしたおかげでやりたいことがたくさん叶った!
その一方で、
こんなことになるって分かっていたら、コストダウンなんてしなかったのに。
という人もいます。
後悔するコストダウン・後悔しないコストダウンはハッキリしていて、それが次の表です。
後悔しないコストダウン|長期的な視点を持つ
コストダウンの時は目先の費用を抑えることばかりを考えてしまいがちです。
コンセントやスイッチの数を減らし過ぎた結果、日常の使いにくさでストレスを感じてしまったり。
また、高効率ボイラーはそうではないボイラーと比べるとボイラー価格は高くなりますが、ランニングコストが安くなるので、長期的にみるとお得なケースが多いです。
目先で10万円コストダウンできたけど、10年間のランニングコストは15万円高くなる。みたいなことがよくあります。
コストダウンを考えるときは目先の費用だけではなくランニングコスト・使い勝手のストレス、これらを踏まえた上で選択したいところですね。
後悔しないコストダウン|無駄をなくす
収納スペースは多いに越したことはありませんよね。
収納スペースが足りないと置き場に困って物が溢れてしまいますからね。もし収納スペースが余れば何かに使えないことはありませんからね。
とはいえ、余ったスペースは無駄です。
他にも子ども部屋を広くとりすぎてスペースが余ったという人もいたり、結局使わない予備の洋室があったり。
予算内であれば備えとして良いと思いますが予算オーバーしているなら話は別です。
- 果たしてその部屋は必要なのか
- 広さはこんなに必要なのか
以前こんな記事を書きましたので、興味のある方は読んでみてください。
後悔しないコストダウン|優先順位から選ぶ
情報収集はSNS・ネットが多い印象です。手軽で便利ですもんね。
家づくりアカウントを見れば、やりたいことがどんどん増えていきます。
- タッチレス水栓に多機能なガスコンロ
- デザイン性の高いレンジフード
- エレガントなユニットバス
- スタイリッシュなタンクレストイレ
見たり聞いたりしているうちに「あれも良い・これも良い」と思うものですが、前もって自分の中でやりたいことの優先順位を明確にしておきましょう。
家づくりを始める原点に戻って、自分が家づくりに求めていたのはなんなのか、SNSを見てやりたくなったことが本来やりたかったことよりも上回っているのか。
SNSは便利な反面、それによって本来やりたかった家づくりとは違う方向に行ってしまう人も多いと思いますので、まずは優先順位を決めてからコストダウンを検討するのが後悔しないポイントですね。
【危険!】無理な値引き交渉のリスク
ビルダーへの値引き交渉はリスクが伴います。
値引きしてもらって得した気持ちになると思いますが、家のクォリティの低下としてそのツケが回ってくる可能性があります。
「予算が少ない=手間をかけられない」というのがイメージできますでしょうか。
会社が存続するためには利益が必要です。
本来の住宅価格が3000万円で、それをゴリゴリに値引き交渉して2500万円になった場合、500万円の減額した分をどこかで回収しなければ正常な経営ができなくなるのが会社というものですよね。
そうなるとビルダー下請けの、大工・板金屋・電気設備屋・塗装屋などへコストカットして工事を発注することになります。
そうするとコストカットされた業者は、他で稼がないといけなくなる分、その家を工事するのに時間をかけられないことになり、最悪の場合手抜き工事に至るケースもよく聞く話です。
会社を継続させるためにはお金を残さないといけないですからね。
低賃金だと僕たちサラリーマンは転職を考えちゃうかもですね。
1棟あたりの賃金が安いと、数をこなさないといけません。
適正な賃金の大工さんであれば、時間にゆとりをもって丁寧な仕事をしてくれるはずです。
値引き交渉のリスクは強引な値引き交渉です。
〇〇万円値引きしてくれないなら他社で建築します。
A社は〇〇万円なのでその金額に合わせてくれないならA社に決めます。
こんな感じでプレッシャーをかける人もいますよね。
分かりました、そしたらウチで契約してくれますか?
なんてパターンがクォリティを低下させる値引き交渉です。
値引き交渉のテクニック
値引きにリスクがあるとはいえ、だからと言って業者の言い値のままというのもなんだか不安。
上手な値引き交渉は担当者に気持ちよくなってもらうことです。
たとえばこんな感じ。
ぜひ、けんちくんと家づくりを進めていきたいのですが、A社の価格と差が開いていて・・・。
もちろんプランや素材が違うから全く同じ金額にはならないと思いますが、もう少し費用が抑えられると助かります。
とか。
こんなこと言われたら僕なら会社に持ち帰って、上司に相談しちゃいますもんね。
値引き交渉では、いかに相手を気持ちよくさせるかだと思います。
みなさんあまり意識していないかもしれませんが、住宅ローンの金利を低く抑えることは総返済額を抑えるのに効果絶大です。
金利がコンマ数%でも低ければ、100万円単位で総返済額を抑えることができます。
住宅ローンは金融機関によって設定している金利が違います。
住宅会社を比較するように、金融機関も比較することがとっても重要です。
まとめ|後悔しないコストダウンのポイント
予算ありきの家づくり。費用を抑えることは大事ですが、目先の費用ばかりにとらわれてしまのは、結果的に高くついてしまうことにもなりかねません。
ランニングコストや使い勝手を考えた上で、このコストダウンは果たして良いのかどうか。ご自身なりに考えてみてください。
またコストダウンで一番やってはいけないのが、強引な値引き交渉です。
そのせいで手抜き工事なんてされたらたまったものじゃありませんね。
モラルのある会社なら値引き後でも手抜き工事なんてしません。
ビルダーを見極める力も大事ですよね。
以上、参考になれば幸いです。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
家づくりを検討中の人は、ぜひタウンライフの活用も考えてみてください。