設計歴16年の現役建築士が伝授!自分で間取りを考える手順と注意点とメリット・デメリット
この記事はこんな僕が解説しています▼
- 2006年から注文住宅の会社に勤務
- 土地探しから間取提案、引渡しまで一貫した実務経験
- 営業、設計、現場監督をしている現役建築士
詳しいプロフィールはこちらからご覧ください!
一生に一度の家づくり。せっかくなら自分で間取りを考えてみたいものですよね。
なんてったって「自分の家を設計した」って友達とか職場の人たちに言えたらカッコいいですからね!
とはいえこれまで間取りを考えたことのない人は、
どうやって間取りを考えたら良いのか分からない。
こんなお悩みをお持ちだと思います。
注文住宅で家づくりをするなら一度は自分で間取りを考えてみることをオススメします!
なぜなら、自分で間取りを考えることで得られるメリットがたくさんありますから。
自分で間取りを考えることが間取りで後悔しないことにもつながります。
後悔しない家づくりのためにも、ぜひ最後までご覧ください。
- 自分で間取りを考えるメリット
- 間取りを考えるときの注意点
これらを詳しく解説します。
そもそも自分が住む家なんだから、自分で間取りを考える方が合理的な気もしますよね。自分が暮らしたい家は自分が一番分かっているはずですからね。
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自分で間取りを考える3つのメリット
「自分で間取りを考えるメリット」は次の3つです。
- 「したい暮らし」が明確になる
- 間取りの理解力が深まる
- 家づくりが楽しくなる
それぞれ解説します。
「したい暮らし」が明確になる
間取りを考えるときは、ただパズルのピースのように間取りをはめていくわけではありません。
暮らしをイメージしながら間取りを考えるはずです。
そして、考えていくうちにどんどんしたい暮らしが想像できるようになってくるはずです。
- 家族団欒の時間を大切にしたいから何よりもリビング重視の間取りで!
- 料理とかお菓子を作るのが好きだから、滞在時間の長いキッチンを充実させたい!
- 職業柄、在宅ワークが多いから書斎を快適に作りたい!
自分で間取りを考えることで、より具体的に「したい暮らし」が明確になります。
間取りの理解力が深まる
平面図から立体的なイメージをするのは意外と難しいことです。
入社当時、平面図から空間を想像するのに苦労しました。
平面図から空間をイメージするのは訓練が必要です。
自分で間取りを考えている人は、平面図から空間をイメージする訓練がある程度された状態です。
自分で体験してこそ理解が深まるものですよね。
僕たち設計士が間取りの提案(プレゼン)するときは、クライアントに理解してもらえるように、あの手この手でイメージを共有する努力をしているのですが、それでもイメージできない人もいます。
間取り図を眺めているうちにイメージできてきたりするのですが、それでもやっぱり僕たちが思い描いているものと比べると解像度は粗いもの。
実際に家ができてから、こうだったんですね!と言われることも多々あります。
家づくりが楽しくなる
間取りを考えるのってシンプルに楽しいです。
自分で間取りを考えながら夫婦で「こんな暮らしいいよね」なんてイメージするのって
楽しそうですよね。
っていうか楽しいですよ。
間取りを考える注意点
自分で間取りを考えるにしても、ちゃんと建てられる家を考えなければ絵に描いた餅。
敷地を有効活用したいからと敷地めいっぱいに建てるわけにはいきませんし、高さ方向に無限に建てられるわけもありません。
建築基準法に基づく最低限のルールを守ればOKです。
具体的にはこの3つだけ注意すれば、とりあえずは誰でも間取りを考えられます。
- 土地を見るときは周辺環境まで
- 建蔽率、容積率は遵守
- 敷地境界線からの外壁後退距離も遵守
僕たちプロも上記の3つをベースに間取りを検討しています。
土地を見るときは周辺環境まで
僕たちプロは敷地を見なくても間取りを考えることは容易にできますが、そうしてできた間取りが良い間取りであるわけがありません。
僕たちプロが土地を見るときは、土地そのものよりも周辺環境を見ています。
- 日当たり
- 眺望
- 抜け
これらの情報は現地を見ないと分かり得ないことです。
土地を見ずに計画するなんて僕たちプロからしたらあり得ません。
土地を見ずに間取を考えたり相談に乗ったりする人もいますが、
土地を見ずに良い家なんてできるわけがありません。
土地を見ると言っても、漠然とその土地の中を見るわけではありません。
どんな土地でも、必ずと言っていいほどその土地ならではのポイントがあります。
住宅街に建てる場合でも、必ず敷地のどこかに隣家の向こう側が見える「抜け」があるものですから。
住宅街で家に囲まれている家だって必ず「その土地ならでは」のポイントがあります。
それを見抜いて間取りに活かすように心掛けましょう。
建蔽率、容積率を遵守
敷地の大きさに応じて家のMAXの大きさが決まっています。
これは建築基準法で定められているので、ぜったいに守らなければいけないものです。
- 敷地に対する建築面積が建ぺい率
- 敷地に対する延べ床面積が容積率
噛み砕いて説明すると、
- 建ぺい率→敷地に対する建物の水平投影面積(空から見下ろした建物の形状面積)
- 容積率→敷地に対する建物の延床面積
具体的には
建ぺい率40%・容積率80%
みたいに表現されます。
たとえば
建ぺい率40%・容積率80%のときの300m2の土地に建つ建物は
- 水平投影面積は120m2まで
- 延床面積は240m2まで
となります。
土地を購入するときに不動産屋さんから用途地域を教えてもらっていると思いますが、もし分からなければ土地の売買契約書でご確認ください。
ちなみに用途地域はこちらのサイトからも調べることができます。
こんな感じで表示されます。
用途地域は自分の暮らしを守るためでもある
隣の家に越してきた人が建替えで、5階建てで敷地めいっぱいに建てられたらイヤですよね。
圧迫感あるし日当たりも悪くなるし。
無秩序に家を建てられないように建築基準法で用途地域というのを設定しています。
用途地域によって次のような規制があります。
- この地域は敷地の半分くらいまでしか建てちゃダメ
- 高さは10m以下しか建てちゃダメ
もっと広い家を建てたいのに!
と思うかもしれませんが、自分の暮らしを守るためでもあります。
自分ちを家を建てた後に隣に建てられた家のせいで、不快なものになったら悲しいですもんね。
敷地境界線からの外壁後退距離も遵守
所有されている土地が、第一種低層住居専用地域か第二種低層住居専用地域の場合、敷地境界線からの外壁後退距離が定められています。
お隣さんの家がウチの敷地ビッタリに建ててきたら嫌ですよね。
そうならないために、敷地境界線から離して建物を建てないといけない決まりがあります。
それが外壁後退距離です。
外壁後退距離は1,0mだったり1,5mだったり場所によって異なりますが、僕の体感1,0mの地域が多い印象です。
注意しないといけないのは、外壁の後退距離ということ。
外壁後退距離は外壁表面の仕上げで後退距離を守らなければいけません。
建築業界では、柱の中心線を表す芯寸法で話をすることが多いので注意が必要ですね!
もし外壁後退距離が分からなければ市役所・役場で教えてくれますが、そこまでするほどでは・・・と思う方は敷地境界線から1,0m以上離して計画すればだいたいOKです。
自分で考えた間取りを住宅会社に見せるのはアリ?ナシ?
事前に見せたプランが、ほぼそのまま採用された。
自分が考えた間取り(オリジナルプラン)を見せたことで、何かしら設計に影響してしまうんじゃないかと不安に思う人は多いと思います。
建主さんが考えた間取りが採用されるのは次の2パターンのどちらかです。
- 非の打ち所のない間取りだったパターン
- めんどくさいからそのまま採用しとこうパターン
少なくとも僕個人としては、お客さんの間取りをそのまま採用することは一度もありません。正直僕が考えた間取りの方が絶対に良いと思っていますから。
僕が思うに、建主さんのオリジナルプランが採用されるというのは、住宅会社の怠慢だと思います。
じゃあオリジナルプランを見せる必要がないのかと聞かれると、見せてもらった方が良いです。
オリジナルプランを見ることで次のようなことが読み取れます。
- 建主さんがどんな暮らしをしたいのかが見えてくる
- 建主さんが何を大事にしたいのかが見えてくる
これらを僕たち設計士がより改良して、建主さんのオリジナルプランをより良いもので提案ができます。
まとめ|自分で間取りを考えるメリット・デメリット
自分で間取りを考えることはとても大事なことだと思います。
・「したい暮らし」が明確になる
・プロの間取りの理解力が深まる
・家づくりが楽しくなる
間取りを考えるにしても、建築基準法を遵守したものでなければ絵に描いた餅です。
とはいえ守るべきルールはそんなに複雑ではありません。
- 建ぺい率
- 容積率
- 敷地境界線からの外壁後退距離
この3つを意識すれば最低限OKです。
土地周辺をよく観察し、暮らしをイメージしながら計画してみてください。
実際に間取りを計画してから実際にプロのプランを見ることで、僕たち設計士が考えた間取りの奥行きを感じるはずです。
家づくりは複数社から間取りを提案してもらうことが家づくりを成功させるポイントでもあります。
あれ?この設計士の提案はあまり奥行きがないな、となれば住宅会社を絞るときの目安にもなると思います。
以上、参考にしてみてください。
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住宅会社がまだ決まっていない人は、提案された間取りを比較して住宅会社を選ぶキッカケにするのも一つの選択肢になると思います。
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