【震度7でも無被害?】耐震等級1・2・3|地震に強い家のメリット・デメリット!
- 2006年から今日まで注文住宅の会社に勤務
- 16年の実績を持つ現役建築士
- 土地探し→設計→現場管理→引渡しまですべての業務担当
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木造住宅の地震倒壊率28%
1995年の阪神・淡路大震災で震度7を観測して以降、現在までに日本で震度7を観測した地震は4回もあります。
- 2004年 新潟県中越地震
- 2011年 東北地方太平洋沖地震
- 2016年 熊本地震
- 2018年 北海道胆振東部地震
数年おきに日本各地で震度7クラスの大地震が起きています。
建築基準法では建物の倒壊から人命を守るために、『最低限の耐震性能』を有するように定めています。
とはいえ、熊本地震では『最低限の耐震性能』を有している家の倒壊率は28%を超えていました。(日本建築学会調べ)
つまり建築基準法で定められている『最低限の耐震性能』では、4軒に1軒は震度7に耐えられずに倒壊してしまう可能性があるということです!
そりゃ安心して住めたもんじゃないね!
もし住宅ローンが残っているのにマイホームが全壊したら
住宅ローンの残債を払いながら新たに家賃の支払いが上乗せされてしまいます!
毎日を安心して暮らせるためにも、そして今後起こり得る『首都直下地震』に備えるためにも、家の耐震性能について詳しくお勉強しましょう!
- 【地震VS耐震】耐震等級1〜3の性能の違い
- 【観測史上初】熊本地震は震度7が2連続!
- 現行基準の耐震等級1は倒壊率2,2%!
- 倒壊しなけりゃイイわけではない!
- 耐震等級をアップするデメリット!
- 耐震等級を上げると火災保険料が安くなる!
- 既に家を建てた人は耐震改修を!
これから家を建てる人はもちろん、「もぉ既に家を建てちゃったよ」って人にも役立つ情報がありますので、ぜひ最後までお付き合いください!
【地震VS耐震】耐震等級1〜3の性能の違い
どれだけ地震に強い家なのかを測るモノサシが『耐震等級』です。
建築基準法では耐震等級1以上でなければ建築できないように定められています。
実は耐震等級1でも数百年に一度の大地震にも耐え得る強さを持っているんです。
【耐震等級1〜3】等級1でも大地震で倒壊しない!?
数百年に1度の大地震の目安は『おおむね震度6強〜震度7』の認識でOK!
つまり耐震等級1でも震度7に耐えられる強さを持っていると言うことです。
【参考】震度は震源地と観測地で変わるので、あくまで目安です。
耐震等級2・3は耐震等級1よりも地震に強く、
- 耐震等級2は【耐震等級1の1,25倍】
- 耐震等級3は【耐震等級1の1,5倍】
の強さを持っています。
耐震等級3はスーパーサイヤ人3
みたいなイメージだね♪
【観測史上初】熊本地震は震度7が2連続!
震度7の地震が起こるのは数百年に一度と言われています。
熊本地震では前震と本震で震度7の地震が2回連続で発生しています。(観測史上初!)
前震には耐えたものの、本震には耐えられなくて倒壊したと言うことです。
対峙するだけでダウンされとるよ。
現行基準の耐震等級1は倒壊率2,2%!
実は、熊本地震で倒壊した耐震等級1の住宅は旧耐震基準で建てられた家でした。
1981年6月以降になって新耐震基準が定められました。この時初めて震度6強から震度7程度の地震にも耐えられるようにって決まったのです。
2000年基準(現行基準)になっています。
地震動が大きく建築物の被害が著しい地域(益城町中心部)の倒壊率
- 旧耐震基準:倒壊率28,2%
- 新耐震基準:倒壊率8,7%
- 2000年基準(現行基準):倒壊率2,2%
と言う調査結果になっています。(日本建築学会調べ)
耐震等級1でも意外と大丈夫かも?
って考え方もありそうですが・・・
倒壊しなけりゃイイわけではない!
2000年基準の倒壊率が2,2%ではあったものの【倒壊はしなかったけど大ダメージを受けた家】は、たくさんあります。
住めないor修理が必要な家の割合は4割弱です。
もし住宅ローンの返済が残っているのに家に住めない状態になってしてしまえば、住宅ローンの残債を払い続けながら、新居の家賃も払うことになります。
一方、耐震等級3の家は大部分が無被害!
地震保険に入っていても建て直せるだけの保険料はおりません。
地震保険の保険料の上限は建物費用の半額と決まっています。3000万円の家は1500万円までしか保険料がおりません。
修理して住むとなってもメッチャお金がかかります。仮住まいの費用もかかるでしょう。
大地震後に住めなくなる可能性の高い耐震等級1より、
被害があっても軽い補修程度で住める耐震等級3の方が安心!
ちなみに、地震保険に入っていない人は今後に備えてご検討を。
耐震等級をアップするデメリット!
大地震が起きても倒壊しない安心感。そして、その後も安心して住めるようにするためにも耐震等級2、できれば耐震等級3にするのがオススメ!
とはいえ、耐震等級を上げるのはデメリットもあります。
- コストが上がる
- 地盤改良が必要になる場合もある
- 間取りの制約がある
コストが上がる
耐震等級2・耐震等級3にすると、ざっくり50万円〜100万円くらい建築費用がUPします。
建築物の耐震性能を向上させるためには、壁と床を強くすることが肝心です!
壁を強くするには筋交を入れたり構造用合板を張ったり。
それに伴って柱梁にも構造金物が必要になったりもします。
床を強くするには構造用合板を張ったり火打ち梁を設けたりします。
地震に強い建物にするため、部材や材料が増えるのでコストアップは必至です。
また、耐震等級2・耐震等級3になると構造計算が必要になるので、構造計算の費用も発生します。
『壁量計算』によって構造計算を省略しています。
『壁量計算』と言う計算方法によって確認することで耐震等級1を満たす住宅となります。
年間の新築着工棟数は905,123棟(令和元年)
90万棟以上もの家を構造計算をする為の人材や、それをチェックする検査機関の人材不足も相まって『壁量計算』によって複雑な構造計算を省略することが認められています。
地盤改良が必要になる場合もある
建物に力が加わった場合、力は『上から下』に伝達します。
建物に加わる力の伝達
- 屋根から2階
- 2階から1階
- 1階から基礎
- 基礎から地盤
(細かく言うと『床から梁』→『梁から柱』みたいに伝達されます)
つまり最後は地盤に伝達されます。
どんなに耐震性能を上げた建物でも、土台となる地盤が弱ければ意味がありません。
大きな地震に耐える家=それに耐えられる地盤
地盤が耐えられるか耐えられないかは、地盤調査をして地耐力を測定する必要があります。
地盤改良だけで数十万円〜100万円を超える場合もあります。(強い地盤があるとこまでの深さによる)
間取りの制約がある
先ほどお伝えしたように地震に耐えるのは壁と床です。
それによって間取りに制約が出る場合もあります。
- 邪魔なとこに耐力壁!
- 窓の大きさに制約(大開口はムリ)
- 大きな吹抜けはムリ!
広ーいリビングに大きな吹き抜け!
そして吹き抜け部分に大きな窓!
でも耐震等級3にすると、窓のサイズに制約があったり、要所要所に耐力壁をピョコピョコ設けることになったり、床が必要なので大きな吹き抜けが作れなかったり。
耐震性能を上げることによって間取りに制約がありますので、
耐震等級の希望は早めに設計士さんに伝えておきましょう!
耐震等級を上げると火災保険料が安くなる!
耐震等級を上げるには、上記3つのデメリットはあるものの・・・
- 大地震でも倒壊しないどころか『無被害』の家が多い
- その後も安心して住み続けられる!(補修があっても少ない)
これらを考えると、耐震等級を上げるメリットの方がデメリットを上回っているのではないでしょうか。
先ほど耐震性能にはコストがかかるとお伝えしましたが、耐震性能を上げることで下がるコストもあります。
それが地震保険です。
- 耐震等級2で30%OFF
- 耐震等級3で50%OFF
地震に強い建物は地震保険の割引が適用されます。
最初に耐震等級3の家を建てるとず〜っと耐震等級3の家です。
耐震等級は変わりません!
全く同じ保証内容なのに保険会社によって支払う保険金額が全然違うよ!
情報の入力が一回で済むので一括サイトは楽ちん!
\ 無料で比較! /
レビュー(抜粋):以前には無かった地震保険をつけることが出来たり、そもそも比較して安くなること自体を知らなかったので大変助かりました。
既に家を建てた人は耐震改修を!
耐震等級1だと思うけどこのままだと将来が不安
ここ10数年で、新潟・東北・北海道と大地震のニュースが続いて不安に感じる人もいらっしゃるでしょう。
既に家を建てた人でも、耐震改修工事をすることで今よりも耐震性能を向上させることができます。
各都道府県や地域の助成金でお得に耐震改修を行うことができます!
- もぉ家を建てちゃった!
- 将来起こるかもしれない大地震に備えたい!
そんな方は、お住まいの地域で取り組んでいる耐震化助成制度をご覧ください。
耐震改修するのにまとまったお金がない方は、耐震改修専用のローンもありますのでそちらを活用してみて下さい。
住宅金融支援機構のリフォーム融資(耐震改修工事)
地震に強い家のメリット・デメリット!まとめ
- 耐震等級1は旧耐震基準→新耐震基準→2000年基準(今はコレ)
- 熊本地震は旧耐震基準が28%倒壊。2000年基準の倒壊率は2,2%
- 耐震等級2は等級1の1,25倍・耐震等級3は等級1の1,5倍
- 地盤改良が必要になることもある!
- 耐震等級を上げると火災保険料が安くなる!
- 既に家を建てた人は耐震改修を!
観測史上初の震度7が連続して起こった熊本地震でも耐震等級3の家は大部分が無被害でした。
一方、耐震等級1の家は大ダメージを受けたものがたくさんあり、住めないor修理が必要な家の割合は4割弱です。
もし住宅ローンの返済が残っている状態で家が倒壊してしまえば、住宅ローンの残債を払い続けながら新たな新居の家賃も払うことになります。
耐震等級を上げるにはデメリットがあるものの
- 大地震でも倒壊しないどころか『無被害』の家が多い
- その後も安心して住み続けられる!(補修があっても少ない)
これらを考えると、耐震等級を上げるメリットの方がデメリットを上回っているのではないでしょうか。
耐震性能を上げるにはコストがかかりますが、下がるコストもあります!
それが地震保険!
- もぉ家を建てちゃった!
- 将来起こるかもしれない大地震に備えたい!
そんな方は、お住まいの地域で取り組んでいる耐震化助成制度をご覧ください。
以上、家づくりのお役に立てていただけると幸いです。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございます^^